2011年12月13日

最終回!リリアンフェルトと共に…⑧前編



オーストリア国立スキー専門中学校 リリアンフェルト校
最終日、まりの選手と尚選手は校長先生と、
シュピンカ先生に学校見学と記念品を頂いていました。
こんな大きな学校に全校生徒40名…
専用体育館、グラウンド、プール、宿舎…
これが、20年間連続WCネイションズカップ優勝のスキー大国オーストリアです。





確実に成果がありました。が、それ以上にがんばった想い出になりました。



そして、多くの人たちの愛情に触れました。
お世話になり応える事…
行動で返す事…


滑りの進歩がそれを物語っています。
そしてこの人は…
今頃…


ホームステイ予定先の、Yumiちゃんと…
そう・・・
今回も、一人留学を続けます。
またもや特待生として、
その才能を伸ばすチャンスを頂いたのです。
荷物を乗せる車も、私の車ではなく、


そして、コーチも今日からはこの人たちです。



一番左の先生は私も良く知りませんが、
2番目の先生の車を壊した事があります。
3番目の先生とは、ワインを頭からかけた事があります。
4番目の先生は、・・・

みんなスキーにだけは熱いので大丈夫でしょう…そして、責任感の塊です。



旅の恥はかき捨て…



精一杯迷惑をかけて、
この人たちの想い出にしてあげればよいと思います。

「悪名は無名に勝る…」

普段が真面目な知沙樹選手には、(注:今はちゃんと有名です)
このくらいの気持ちが必要…
彼らは、なんだかんだと文句を言いながら、
人の成長については非常に敏感で、
過去にできなかった事ができていると、
「努力をした」
と行って評価します。
なので、初めは何もできずに迷惑ばかりをかける問題児でもいいのです。
どうせ、
「あの子はスキーだけはうまかった…」と彼らの想い出になります。

振り返れば、私がオーストリアに残してきたものは、
素晴らしいスキー技術でもなく、
成績でもなく、
この人たちにとっての、
「想い出」だけなのかもしれません…
この人たちは、
「日本からまたあいつが来る…」(勝てるわけないのに)
「またあいつが来た…」(また勝てないのに)
「今度は又すぐにあいつが来る…」(どうせ勝てるわけないのに)
といいながら、結局の所、いつも、
一切のスケジュールを空けて、待っていてくれていたのです。
(帰るときには次はいつだ?と確認し…帰ってからはメールでいつ来るのか?と急かす…)

私は最初、「ブルーチーズ」が嫌いでした。
それが今は、「ゴルゴンゾーラニョッキ」が好物で、
そんなことが、彼らの私に対する共通の話題の一つです。

そして知沙樹選手には、既に、私にはいなかった、
同年代の友達がいます。
いつの日か必ずそのコネクションが役に立つ日が来る事でしょう。
彼女が最初にこの国でできた事は、
たった一つ…
「スキー」
だけだったのに…勉強ができたり、言葉が自由になる人よりも、
多くの友人がいるのです。

「旅で掻いた恥は」
実の所、
自分では「捨てる事は出来ない」のです。

私が私のわがままな半生の中で、
たった一つ、心から伝えたいと思える事の一つがここにあります。
あまり期待はしていませんが、ついでに、スキーも上手になって帰って来てくれれば…

次は、尚選手や、まりの選手にも、こんなチャンスが訪れるかもしれません。


そして、今回も尚選手、まりの選手、知沙樹選手、私に対しても、
沢山の想い出をありがとうございました。